長勝寺では、葬儀の荘厳さを保ちつつ、わかりやすい解説や法話を取り入れたわかりやすい葬儀を行っています。
剃髪の偈
葬儀の最初に、頭を剃り清めてお釈迦様のお弟子になる儀式を致します。剃髪の偈とは、多くの人と共に、迷いを離れて静かな安らぎの境地へ到るようにとの願いのお経です。
懺悔文(ざんげもん)
この世に生を受けてから死に至るまで「一度も悪いことをしたことがない」という方は懺悔の必要はありません。しかし、ほんの些細な事柄が、自分は悪くないと思っていても知らず知らずのうちに相手の心を寂しくさせたかもしれません。もしそのようなことがあるならば懺悔をしていただきます。
三帰戒
仏法僧の三宝に帰依(全てをゆだねる)する誓いのお経をお唱えします。
○ 仏 仏とはさとれる者、人とし人の尊さ
○ 法 法とは理(ことわり)の道、おのれ無きの尊さ
○ 僧 僧とは集いの力、和合の尊さ
大悲咒・鎖龕起龕回向
大悲咒という観音さまの悟りと救いの書かれたお経をお唱えして鎖龕、起龕のご回向を致します。
鎖龕というのは、お棺にしっかりと蓋をして最後のお別れという意です。起龕というのは、そのお棺を動かし、火葬に出発するご回向です。
鳴らし物
古来伝統の四・二・三と打ち流しの鳴らし物を致します。
往生咒
往生とは往(ゆ)いて生まれると書きます。「なむあみだぶつ、なむあみだぶつ...」と阿弥陀様の呼び声につつまれて極楽往生するお経です。
往いて生まれる先は一体どこなのか。しっかり、はっきりと自覚しなければいけません。生きている私たちにとっても大変味わい深いお経です。
引導
故人の思い出、行跡を漢詩にして唱えます。最後に贐(はなむけ)の句を、唱え、喝をもって故人を引き導きます。
古来、最後の一喝のことが話題になってきました。もっとも大切な喝は清濁、凡聖、大小……すべての迷いを超越した「何物も許さぬ喝」です。
弔辞、弔電の後、焼香となります。
葬儀の場というのは、不思議とその人の気持ちが態度に現れるものです。前に座って見ておりますと、よくわかります。
礼の仕方、手の合わせ方、座り方、歩き方に至るまで、すべてにその人の心が映し出されます。葬儀とは冥福をお祈りするとともに、自身の生死を見つめる事ではないでしょうか。
所詮他人事と捉える人、自分に置き換えて真剣に挑む人、さまざまです。
参列される方で、席で待つ間などは私語などせず、静かに故人を偲びましょう。お坊さん任せではなく、参列者みんなで送るという気持ちが大切です。