今週の絵手紙第43週
福岡と大分両県にかけて水害が発生し、今日は東北で水害が発生しました。
痛ましく思います。亡くなられた方々に冥福を祈り、被害に遭われた方に心よりお見舞い申し上げます。
梅雨が明けて、厳しい暑さが続くようになりました。
しかし、その晴れ間に無常の有様をかみしめる 今日この頃です。
軒瓦の形、こんなの初めて見た!と思いませんでしたか?
丸栄陶業、栄四郎瓦の「州浜」という新しいデザインです。
寺院などの伝統的な建築に用いられる事は珍しいと思います。
単に伝統を踏襲するだけでは、伝統を守った事にはならないとの思いから、
今後何百年と続く観音堂を未来の人が目にしたときの事を想像して選定しました。
この写真はまだ作業中ですが、正面の外装はヒノキです。
外部側面の壁は漆喰です。近くで見ると鏡のように反射しています。
また、チリ廻りと言って、壁際の美しさが際立っています。
三川は風雨が強く、側面下部は雨に打たれやすいため、特に耐久性を重視しています。
この板壁の厚みは約1センチ以上あります。また、棹の部分も単純に釘で張っただけではなく、頑丈にはめ込んでいます。
足場が取れて全体像が見えました。
正面の飾りは昔の観音堂そのままを忠実に再現しています。
木材はタイヒ(台湾ヒノキ)です。
観音さまの真上の格天井です。格はヒノキ、面は樹齢500年以上の米杉です
裏面は割れないように釘ではなく木材で固定されていきます
3面が完成しました
正面のケヤキ板張りです。ケヤキの柾目を使用していますが、なかなかこんな材料にはお目に掛かれません。あるようで無い逸材です
正面の丸柱に光付けをしています
削ってははめ込み、微妙な調整が続き、
このように丸柱を傷つけることなく、ぴったりと丸柱に沿ってはめ込んでいきます。
お堂周囲にヒノキのラス板がはめ込まれます。下地材に使うのは勿体ないくらい良いヒノキです。
釘は耐久性を考慮して、すべてステンレスを使用しています。
こちらは脇仏壇の光付け作業です
今回床板に使われたのはトガという針葉樹です。全て1本の木から製材されています。
仏壇のケヤキの光沢。鏡のようです。
床板、床板はアリを切り、全て樫でがっちり固定されています。
今ではなかなか見ることのできない技です。
瓦屋さんの作業はものすごく早いです。
皆様にご寄進いただいた瓦も上に載せられていきます。
ルーフィングを敷いてからあっという間の完成です。寒い中有り難うございました。
竹竿にカメラをくくってドローンまがいのワンショット。
屋根工事と同時進行で格天井(ごうてんじょう)の制作も進んでいました。
専用の足場を組んでから1mmもずれてはならない緊張の作業です。
材質は格は吉野檜、面は秋田杉です。
そして、絵馬がはめ込まれました。
旧観音堂の絵馬を京都の絵師さんに再現していただきました。
見上げると鮮やかな色彩が現れます。
天井の裏側はこんな感じになっています。
人が歩いてもビクともしない頑丈な天井です。