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山門庫裡改修記録2

改修前の写真

深刻な状況がお分かり頂けるかと思います。このような状態でも粘り強く耐えてくれるのが昔ながらの木造の良いところではないでしょうか。また、今回の改修によって、瓦と土の重量を1/3程度にし、今後段階的に補強を加えることで、飛躍的に建物の寿命を延ばせます。

最上部より東側を望む 上から見下ろすと断崖絶壁で足がすくむ
庫裡北面 下屋根の瓦をはがし始めたところ
下から眺めただけでは分からないが、水平に見ると屈曲がよくわかる
このゆがみは創建時からのものだった
軒先 一番痛みが激しい部分
下屋根は重さで茅負が傾いていた
庫裡棟木の中央部 雨漏りで腐朽が進み、土を支えていた竹や葦が、一部土と共に剥落している
竹が落ちて土があらわになっている 雨の日の撮影だったので雨がしみている様子が見て取れる
近代に補修した箇所 下から見るとそうでもないが、上面は雨漏りで朽ちていた

工事していただく衞藤建築さんによると、全体的に傷んではいましたが、小屋組みはしっかりしたものだそうです。今後、新しい隅木や垂木、補強部材を入れることで、構造的に、さらに頑丈になります。 と、簡単に言っていますが、実際はたいへん難しい工事です。開けてみないと傷みの状態はわかりませんし、傷みに応じた補修をしなければなりません。それに立ち向かう技術力と労力、手間がかかります。 普通の大工さんにはこのような工事はできません。

山門庫裡改修記録1

はじめに

 長勝寺の庫裏は約160年前に建てられたものです。幾度となく補修を重ねて今日まで大切にしてきました。最近、雨漏りが酷くなったので心配していたのですが、梅雨のある日、ポタポタと雫の落ちるのに混ざってパラパラ…パラパラと妙な音がしていました。今思えば前兆だったのですが、気づいた時には、大きな土の塊が床の間に落ちていました。

 確認の為に小屋裏(屋根裏)に上がったところ、床の間に落ちたのは瓦の下地の土で、それを支える竹や棟木が雨漏りで腐って支えきれなくなっていました。これは大変だと、すぐに大工さんに見てもらったのですが、もう屋根としての限界を通り越しており、応急処置で対応できる状態ではなく、放置していると更に被害が及ぶとの見解でした。緊急性が高いと判断し、総代会に諮って庫裡屋根の緊急改修を決定しました。

 折しも山門の改修を決めたところで、難しい予算編成を余儀なくされましたが、総代さんの助言もいただき、元々あった晋山式予算の残金に涅槃堂会計からの借入、そして住職からの志納で賄うこととします。

  庫裡の瓦を撤去するためには大型クレーンを入れ、その廃棄物をトラックに載せる広い場所が 必要となります。 元々改修する予定だった山門の空き地をトラックの駐車に使い、山門と庫裡を一体改修することで、作業の効率化を図りました。

 大まかな工程

・庫裡、下屋根の足場設置、下屋根の撤去、下屋根改修

・山門、足場設置、瓦撤去、木部手こわし解体

・山門、基礎解体。植木、石、ブロック壁の一部撤去

・落下防止の為、小屋裏の養生

・庫裡、大屋根の足場設置、瓦、瓦下地の撤去

・庫裡、垂木新設、隅木交換、各所補強、天井裏掃除

・庫裡瓦施工、雨樋施工、足場解体

・山門建設、植栽

・完了

次回以降、画像を用いながら順次公開の予定です。

作務衣のこと

お坊さんの着る服と言えば作務衣。素材によって本気の労働用からお出掛け用まで様々なラインナップが展開しています。

ところで、作務衣の耐久性ってどのくらいなの?と思いませんか?上の写真は5年以上前に購入した物に20年前の作務衣のポケットを移植したところです。作務衣は耐久性抜群!良い物ならば平気で10年は持ちますし、メンテナンスすればそれ以上もちます。