今週の絵手紙

今週の絵手紙第35週目

日を追うごとに新緑が鮮やかに映える日々です。

もみじの若葉が小さな花と共に、柔らかな風に揺れていました。

日々新たに

今という一瞬は今が過ぎれば今でなくなります。常に新たな今を過ごしています。

今、ここを大切に生きたいものです。

 

最近、北朝鮮とアメリカの緊張が高まっています。仮に戦争状態になれば、多くの人が様々な被害を被るでしょう。

ここで気を付けなければならないのは、自衛隊や同盟国、日本政府は、日本という国家を守っても一個人、一家庭までは守ってはくれないということではないでしょうか。誰かが守ってくれるから大丈夫。と呑気に構えるのは非現実的です。

誰しもいざという時には、自分の身は自分で守らなければなりません。また、守り切れなくなった時(死を覚悟する時)にも、今という一瞬を最後まで真剣に生きる事が肝要ではないでしょうか。

 

庭先のもみじ葉はあと半年もすれば散りゆく定めですが、それでも今という一瞬を真剣に生きています。

今週の絵手紙

今週の絵手紙第34週

博多の仙厓さんは江戸時代の有名な禅僧です。

私の苗字「香泉」も実は仙厓さんに由来するのですが、その話はまたの機会に。

知ってか知らでか、寺庭さん恐れ多くも仙厓さんの柳の詩を載せています。

 

肉体と精神が一致する(身心一如)

私と私の周りの環境が一体(人境一如)

私も他人も皆大切な存在(自他一如)

 

仙厓さんに直接聞いたわけではありませんが、この詩は一如という事をを表しているように思います。別の言い方で不二とも言います。

嫌だとか我慢できないという心境の起こった時、その多くはこの一如の世界から分け隔てられた世界にいる時ではないでしょうか。

あらがう事をやめたとき、熱い湯を置いておくと自然に冷めるように、強風にも文句言わずに、揺れる柳の心が自然と現れるのでしょう。

今週の絵手紙

今週の絵手紙第33週

村上水軍、本因坊、しまなみ海道、そしてはっさく誕生の地。

 

このキーワードで因島を思い浮かべたあなたはかなりの瀬戸内通ですね!

因島は前の和尚さんが生まれた島です。故郷からはっさくが届きました。

春に島を訪れると、みかんの花の香りが島中を覆います。

因島のはっさくは日本一。とても甘く、上品な香りです。

今週の絵手紙

今週の絵手紙第32週

「蘭」

「春山古仏心を吐く」

綺麗な蘭の鉢植えを頂きました。

題する文字は、寺庭さんの好きな禅語です。

漢字からして、なんとなく綺麗な事を謳った事は分かりますが、

最後の「春の山が古い仏の心を吐いている」というのが引っ掛かりますね。

中国北宋時代の蘇東坡(蘇軾)は自身の悟りの境地を

「渓流を流れる水の音が仏の声に聴こえ、見渡す山々がそのまま仏に見える」

と詩にしたためました。

古仏心とは、お釈迦様以来、お悟りを開いた方々が、真の仏をありのままに見たり聞いたりした境涯でしょう。

 

色付き始めた春の山のように見事な蘭、まさに真の仏の姿です。

 

 

 

今週の絵手紙

今週の絵手紙第31週目

先月28日に祐山和尚の一周忌を行いました。

今日は祥月命日。一年前の今朝亡くなりました。

昨日の事のようにも思いますし、遥か昔の事のようにも思います。

ある方から

 

春風や 忽(たちま)ち 友の 一周忌

 

という俳句を頂きました。

寺庭さんが墓前にお供えした花に句を添えて、今週の絵手紙をお送りします。


絵手紙は一周忌準備の為、しばらくお休みを頂いておりました。

今週の絵手紙

今週の絵手紙第30週目

寺庭さんは茶道の難しい稽古のためしばらく絵手紙はお休みしていました。

 

最近ようやく再開したのです。

 

これでも、何度も書き直しました。それでこれ。

内側にへばりついているワカメみたいなのは鳳凰だそうです。

 

どこか、こだわりがあるのかどうか知りませんが、

結果、今週の絵手紙シリーズ始まって以来、最も摩訶不思議な絵となりました事をお詫びいたします。

抹茶を飲む茶碗には見えませんね。

 

人間、生まれた時から「物事をそのままに、ありのまま受け止める」力を持っています。仏教ではその力の事を「仏性」と呼びます。

しかし、色々な思い込みやこだわりによって覆われた私たちは、その生まれ持った仏性という素晴らしい力を秘めていながら気付かずに生きているのではないでしょうか。

もし、仏性の眼で見直せば、わざわざ「天目茶碗」と書かなくても、素直にそのままの姿をスラスラと描けたでしょう。

ということで、今週は反面教師の一枚でした!

 

今週の絵手紙

今週の絵手紙第29週

Aさんから沢山の野菜と一緒に美味しいたくわん(たくあん)を頂きました。

頂戴したその晩は、深夜まで絵手紙を描いたそうです。

何枚も描き直した結果が今週の絵手紙となりました。

お味もそうですが、絵もなかなかの出来ではないでしょうか?Aさんの真心も現れているようです。

今週の絵手紙

今週の絵手紙第28週

梅の花を見ると、思わず香りを嗅ぎに近づいてしましますね。

「梅 雪に和して香ばし」

大変綺麗な情景です。梅、雪、そして香りが一体となって眼前に現れました。

視覚、嗅覚が一つになり、聴覚や触覚はどこか遠くに行ってしまった。

梅との無心の対話です。

梅が感動となってそこに現れたという句でしょうか。

今週の絵手紙

今週の絵手紙第27週

 

大分は南に位置しているのであまり雪の心配はありませんが、二十四節気の大寒を迎え日本各地では大雪の被害が深刻です。

春はすぐそこ とは思いますが、それにしても寒い!

 

地面に目を向けると、私しか知らないある場所、落ち葉のすき間からふきのとうが顔を出しています。

ふきを育てるために、ここ何年か、ふきのとうは収穫していません。

 

ふきのとう、皆さんはどんな食べ方をしますか?

寺庭さんは味噌汁。私は釜揚げうどんの薬味にするのが好きです。

香りのよいふきのとう、春にむけて元気をもらいました。

 

今週の絵手紙

今週の絵手紙第26週

皆さん頭の毛をカミソリで剃ってもらったことは・・多分無いですよね。

仮に自分の頭を剃ってもらうとすれば、プロの理容師とカミソリ握ったことのない素人どちらにしますか?

 

頭を傷だらけにされたいという、よほどの変わり者でない限り大抵プロを選択することでしょう。

木も出来れば”木を知るプロ”に切ってもらいたかったでしょうが、、裏の藪に茂った椿がうっそうとしていたので寺庭さんハサミでチョキチョキと切ってしまったそうです。

寒肥なら分かるけれど、この時期に剪定?と言いたくもなりますがしかし、初春を飾る生け花へと身を変えて新たな生を受けました。ささやかですが、春の訪れとなりました。

厳寒の中に咲く花には人を包み込むような優しさを感じます。

上から妙蓮寺、西王母、初嵐という品種だそうです。